
治療例 CASES
直腸腫瘍
2026年9月30日(水)
「お尻から何か出ている…」
「血便が続いている…」
「排便のたびに苦しそうにいきんでいる…」
今回は、このような症状で来院されたゴールデンレトリバーのわんちゃんをご紹介します。
来院のきっかけ
12歳のゴールデンレトリバーの男の子が、
- 脱腸している
- 血便が出る
- 排便時に強くいきむ
という症状で来院されました。
診察を行うと、お尻から直腸の粘膜が飛び出している状態が確認されました。
原因を調べてみると…
直腸の内診を行ったところ、直腸の中に大きな腫瘤(しこり)が見つかりました。
さらに細胞診検査を実施した結果、髄外性形質細胞腫という腫瘍であることがわかりました。
追加の検査では、残念ながら肝臓にも同じ腫瘍細胞が確認され、転移していることが判明しました。
治療について
肝臓への転移が確認されていたため、完全に治すことは難しい状況でした。
しかし、直腸の腫瘍が原因で排便がしづらくなり、脱腸も繰り返していたため、このままでは日常生活に大きな支障が出てしまいます。
そこで、少しでも快適に過ごせるようにすることを目標に、直腸の腫瘤を切除する手術を行いました。
手術後の様子
手術後は順調に回復し、
- 脱腸はみられなくなった
- 排便時に強くいきむことがなくなった
- 普通に排便できるようになった
など、生活の質が大きく改善しました。
現在、術後3か月が経過していますが、脱腸の再発もなく元気に過ごしています。
最後に
脱腸や血便は、下痢や便秘だけでなく、今回のように直腸の腫瘍が原因となっていることもあります。
特に高齢のわんちゃんで、
- 血便が続く
- 排便時に強くいきむ
- お尻から何か出てくる
といった症状がみられる場合は、早めの検査をおすすめします。
今回のわんちゃんは、根治が難しい状況ではありましたが、手術によって排便の悩みが解消され、快適な毎日を取り戻すことができました。
これからもご家族と一緒に穏やかな時間を過ごしてくれることを願っています。
獣医師 小野


