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猫の眼瞼内反症

2026年9月30日(水)

猫の眼瞼内反症(がんけんないはんしょう)

 

眼瞼内反症とは

眼瞼内反症とは、まぶたの縁が眼球側へ巻き込まれることで、まぶたの毛や皮膚が角膜や結膜に触れてしまう病気です。眼の表面が繰り返し刺激されるため、不快感や痛み、炎症を引き起こします。
猫では症状を隠すことが多く、気付いたときには角膜に傷ができていたり、炎症が長引いていたりすることも少なくありません。涙や目やにが続く場合には、単なる結膜炎ではなく、まぶたの異常が原因となっている可能性があります。

 

このような症状はありませんか?

次のような様子がみられる場合は、眼瞼内反症の可能性があります。

  • 涙が多い
  • 目やにがなかなか改善しない
  • 目を細めたり閉じたりしている
  • まぶしそうにしている
  • 前足で目をこする
  • 白目やまぶたの内側が赤くなっている
  • 黒目が白っぽく濁って見える

これらの症状は、眼の表面に慢性的な刺激が加わることで起こります。

 

原因

眼瞼内反症には、生まれつきまぶたの形が原因となるものと、後天的に起こるものがあります。
後天性では、眼の痛みや炎症によって強く目を閉じる状態が続き、その結果としてまぶたが内側へ巻き込まれることがあります。また、外傷や傷あとによる変形、加齢による組織の変化が関係する場合もあります。
猫では、慢性的な結膜炎や角膜炎などがきっかけとなって発症することもあります。

 

診断

診察では、まぶたの向きや毛の生え方、角膜への接触の有無を詳しく確認します。
さらに、角膜に傷がないかを調べる検査や、眼の炎症の程度を評価する検査を行い、症状の原因が眼瞼内反症によるものか、ほかの眼疾患によるものかを総合的に判断します。

 

治療

治療方法は、症状の程度や原因によって異なります。
軽度の場合には、点眼薬や眼軟膏で炎症や痛みを和らげながら経過をみることがあります。
しかし、まぶたの形そのものに問題がある場合は、薬だけでは根本的な改善は期待できません。

症状が続く場合や角膜への刺激が強い場合には、まぶたの向きを正常な位置へ整える外科手術を検討します。手術によって眼球への刺激を取り除くことで、多くの症例で症状の改善が期待できます。

 

放置するとどうなる?

眼球への刺激が続くと、角膜炎や角膜潰瘍を繰り返し、痛みが慢性化することがあります。
さらに重症化すると、角膜に傷あとが残ったり、視力に影響を及ぼしたりする可能性もあります。

目を気にする様子や涙が続く場合は、早めの診察をおすすめします。

さらに重症化すると、角膜に傷あとが残ったり、視力に影響を及ぼしたりする可能性もあります。

 

【症例紹介】

症例は推定2歳の去勢雄、元々は生後約3週間で保護された猫ちゃんです。眼瞼炎と他院で診断され点眼や外科手術を実施したが改善しなかったとのこと。セカンドオピニオンで当院を受診されました。

眼科の専門外来も受診していただきウイルス感染に伴う後天性の眼瞼内反症と診断。

外科手術を実施しました。

手術の前は眼脂や涙でしんどそうだったのですが術後は目がクリクリで可愛らしいですね。

 

 

術前

 

 

 

 

 

 

術後3ヶ月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当院では、眼科診察を通して眼瞼内反症をはじめとするさまざまな眼疾患の診断・治療を行っています。

 

目を気にする様子や涙が続く場合は、早めの診察をおすすめします。

 

眼瞼内反症は、早期に原因を見つけて適切な治療を行うことで、眼の痛みや不快感を改善できる病気です。

 

「涙が止まらない」「目やにが治らない」「いつも片目を細めている」など、気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。大切な愛猫が快適な毎日を送れるよう、一頭一頭の状態に合わせた治療をご提案いたします。

 

担当獣医 倉橋 興平