
治療例 CASES
去勢手術について
2025年11月3日(月)
【概要】
去勢手術とは精巣を摘出する手術のことを言います。
繁殖能力をなくし、生殖器関連の病気やストレスを軽減する効果があります。ただし、麻酔をかけての手術になるのでメリットだけではなく、もちろんデメリットもあります。
不妊手術をするべきかどうか迷われている飼い主さんも多いと思います。今回は去勢手術についてのメリット、デメリットや最適な時期などをご紹介します。この記事が今後去勢手術を検討する際に少しでもお役に立てば幸いです。
【手術の流れ】
- 術前検査:身体検査、血液検査、画像検査(レントゲン、エコーなど)
- 全身麻酔
- 手術:陰嚢を切開し精巣を取り出す
⇧わんちゃん
⇧ねこちゃん
犬は陰茎と陰嚢の間、猫は陰嚢を切開します ☆赤線部分
※潜在精巣の子は避妊手術と同じように開腹が必要になる場合があります
~潜在精巣とは~
精巣が正常に陰嚢内へ下降せず腹腔内や鼠径部に留まった状態をさします。通常犬では生後約30日、猫では出産時には既に完了していますが、生後6か月までに陰嚢内に精巣が下降してない場合は潜在精巣の可能性が高いです。遺伝的要因が大きく、予防方法はありません。潜在精巣の場合、通常の陰嚢内にある子よりも精巣腫瘍のリスクがとても高まります。早めの去勢手術が推奨されます。また、腹腔内に留まると体温が高いため精子の成熟が妨げられ、不妊になりやすいという特徴もあります。
【メリットとデメリット】
- 望まない繁殖を防ぐ(特に多頭飼育の場合)
- 攻撃性やスプレー行為、遠吠えなど、問題行動の予防・治療
- 猫ちゃんの場合、けんかによる口傷、猫エイズや猫白血病の感染予防
- 性ホルモンが関与している病気の予防・治療
- 精巣腫瘍
- 前立腺肥大
- 会陰ヘルニア
- 太りやすくなる
必要カロリーが15~25%減少するため、通常通りのフードの量を与えると太ってしまいます。カロリー調節が必要な可能性があります。 - 麻酔・手術のリスク
どんなに健康な子でも麻酔・手術のリスクを0にすることはできません(人間も同じですが)。リスクを出来る限り0に近づけるために、術前検査をお勧めしています。 - 毛質が変化することがある
避妊手術と同様、これらのメリットデメリットをふまえ、当院では生後6-7か月頃の去勢手術を推奨しています。もちろん7か月齢以降での施術も可能です。高齢での去勢手術も可能ですのでご検討の方はいつでもご相談ください。
獣医師 岡田瑞生






