
治療例 CASES
皮膚糸状菌症
2025年11月3日(月)
【概要】
皮膚糸状菌症は、皮膚糸状菌という真菌による人獣共通感染症です。ヒトの皮膚科では“白癬(はくせん)”と呼ばれることが多く、なじみがある方も多いかもしれません。主に動物の毛に感染し、ペットと触れ合う際にヒトへと感染します。ワンちゃんよりもネコちゃんでみられることが多いです。
【症状】
・頭部や肢端にフケを伴う脱毛がみられることが多い
・通常痒みはない〜軽度
【診断】
【治療】
①全身療法
抗真菌薬の内服:通常治療終了までに1−2ヶ月かかる
肝機能を確認するため事前に血液検査を実施する
②外用療法
抗真菌薬含有シャンプー:感染毛の落下を防ぐため、週1−2回実施
抗真菌薬含有ローションやクリーム
③生活環境の清浄化
感染動物の隔離:培養検査で陰性が確認されるまで継続
同居動物の感染確認
0.5%次亜塩素酸ナトリウムによる部屋の洗浄 ※アルコール消毒は無効
【まとめ】
一般的に皮膚糸状菌は生命予後に影響はないとされていますが、治療には1−2ヶ月と比較的長くかかることが多いです。ペットちゃんの脱毛や痒み、同症状がご自身にも当てはまる場合はお気軽にご相談ください。
獣医師 中西彩乃

