
治療例 CASES
犬疥癬
2025年11月3日(月)
【概要】
犬疥癬とはイヌセンコウヒゼンダニの寄生による皮膚疾患です。イヌ科の動物でのみ繁殖可能ですが、一過性に人に感染することもあるため注意が必要です。また猫には猫の疥癬(別種)があります。
【症状】
季節に関わらず、極めて強い痒みを認めることが特徴的です。免疫状態が低下しやすい幼犬や、高齢犬で認められることが多いです。皮膚症状は様々ですが、フケや脱毛を認める事が多いです。
【診断】
皮膚掻爬試験という検査にて診断します。ヒゼンダニは角質層に寄生するため、皮膚症状を認める部位から血が滲むくらいまで皮膚を削り取り、顕微鏡で確認します。
これは実際に当院で検出された虫体及び虫卵です。
虫体 虫卵
【治療】
駆虫薬の投薬により駆虫します。
【まとめ】
当疾患は、他に痒みを引き起こすような皮膚病と誤診しやすいので、皮膚の検査をいくつか実施する必要があります。また、1度の検査では虫体や虫卵が検出されないこともあるため、何度か検査する必要がある場合もあります。一部のノミダニ予防薬でしっかり予防できる病気なので、ぜひ日常的に予防をしてあげて下さい。
獣医師 倉橋興平


