
治療例 CASES
犬の骨肉腫について
2025年11月3日(月)
【症例紹介】
ゴールデンレトリバーのタローくん、12歳の男の子です。タローくんは後ろの足首に骨肉腫という骨の悪性腫瘍ができてしまい、断脚手術を行ったわんちゃんです。
足が腫れていて痛がると来院されましたが、レントゲンを撮影すると骨が溶けている様子が確認されました(青丸)。この時点でかなり骨肉腫が疑わしいですが、もちろん麻酔下にて病変の生検を実施し、骨肉腫と診断しました。
骨肉腫は進行すると痛みが強く、生活の質が低下してしまうため、断脚術を選択されることがあります。断脚手術はあくまでも痛みをとる手術で、腫瘍を完全に体から無くすことはできず、肺を中心に転移してしまいます。そのため手術後に抗がん剤を実施することにより、寿命を伸ばすことができます。
術後3本足になっても歩行が可能かどうか心配されることは当然ですが、残りの足の機能が問題なければうまく適応して歩いてくれることが多いです。
この動画は術後翌日の様子ですが、しっかりと手術前の歩行の機能の確認や術後の痛みの管理を行えば元気良く歩いてくれます。
獣医師の先生から断脚を提案されて悩まれている、飼い主様の参考になれば幸いです。
獣医師 小野和徳


