治療例 CASES
犬の歯周病治療
2024年7月31日(水)
【概要・症状】
歯周病とは、歯やその周辺の組織に細菌感染が起こり炎症を起こしてしまう病気です。
3歳以上の犬の80%になっているという報告もあるほど、犬にとっては身近な病気です。
症状として初期は、口が臭う、歯が黄色いなどがあります。
歯周病が進行するとくしゃみや鼻水などの鼻炎症状を起こし、顔の皮膚が腫れ、そこから膿が排出される(外歯瘻)こともあります。さらに進行すると下顎の骨が溶け骨折することもあります。
歯周病の予防には毎日の歯ブラシが重要です。しかし歯ブラシが届きにくい場所や、歯ブラシを嫌がってしまうわんちゃんの多くは、年齢を重ねるごとに進行してしまいます。よって獣医師が歯石除去や抜歯、歯肉の再建を実施し歯の健康を保つことが大切です。
(当院では、無麻酔での歯石取り、また獣医師免許のない施術はお勧めしません)
参考:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/81562
当院での歯周病の治療のおおまかな流れをご説明いたします。
1、問診・身体検査・麻酔前検査・処置日の予約
現在の症状を確認した後、口腔内をチェックします。また麻酔前の検査(https://fujiwara-ah.jp/wp/blog/当院の麻酔に対する考え方)を実施し、麻酔が可能かどうか確認します。 術前検査で問題なければ歯科処置を行う日程を予約します。
2、歯科処置当日
指定した時間にご来院ください。当日はご飯を抜いてお越しください。お呼び出しする順番が前後する可能性もあるためお時間に余裕を持ってご来院ください。処置までの体調や身体検査、また最終のご説明をさせて頂きます。
3、全身麻酔、レントゲン、プロービング検査
全身麻酔を実施後、歯の状態を確認します。プロービングという歯周ポケットをの深さを確認し、レントゲンを撮影、抜歯が必要かどうか判断します。
ここで初めて口の中の評価が実施できます。
4、歯石除去、抜歯
専用の機械を使用し固くなった歯石を除去します。また検査にて抜歯が必要と判断したら同時に抜歯を行います。歯根が複数ある歯はドリルを用いて歯を分割し抜歯を行います。
5、洗浄、縫合
抜歯した後は念入りに洗浄し、歯肉を再建・縫合します。歯周病が強く歯肉の後退があるとそのまま縫合しても癒合しません。そのため汚い歯肉を除去した後に粘膜フラップ形成術という方法で縫合します。
6、ポリッシング
研磨剤を用いて歯を磨いていきます。
7、麻酔後、退院、再診
麻酔の覚めが問題なければ夕方に退院します。ただ抜歯の本数が多い、また長時間に及ぶ手術の場合は、痛みの管理や術後の副反応の確認するため、入院をご提案する場合があります。
再診では縫合の離開がないか確認し、歯磨きのやり方の説明をさせていただきます。
その後、1ヵ月検診、2カ月検診を実施し、ご自宅で難しい場合は通院にて歯磨きを実施するケースもあります。
以上が歯周病治療の流れとなります。
当院には、日本小動物歯科研究会所属の獣医師や、デンタルケアアドバイザーの動物看護師が在籍しております。
歯石や口臭が気になるなどあればご気軽にご相談ください。
獣医師 小野 和徳