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犬の急性膵炎

2024年7月29日(月)

今回は犬の膵炎についてご紹介します

 

【概要】

膵臓は2つの大きな役割を持っています。1つは、食べ物を消化する消化酵素を含む膵液を作る働き、もう1つは、インスリン、グルカゴンなど血糖値を調節するホルモンを作る働きです。膵炎は、様々な原因により膵酵素を含む膵液が膵臓の細胞周囲に漏れ出し膵臓の自己消化を起こしてしまう病気です。原因は不明な点が多いですが、高脂血症、肥満、炎症性腸疾患、内分泌疾患などが関連しているとの報告があります。

 

【症状】       

人とおなじく、急性膵炎、慢性膵炎がありますが急性膵炎は症状が急激に現れます。

急性膵炎:急に食欲不振、嘔吐、下痢、元気消失、腹痛が起こります。「祈りの姿勢」という激しい腹痛の際に見られるポーズをする子もいます。ただこちらの症状が現れない子もいます。

【診断】

症状、血液検査、画像検査(レントゲン、エコー)を組み合わせて、総合的に診断します。血液検査では白血球、CRP(炎症のマーカー)、膵リパーゼ(膵臓の酵素)の上昇、画像検査(超音波検査)では、膵臓の腫大、膵臓周りの脂肪組織の炎症が見られます。

 

【治療】

急性膵炎は重症化すると死に至ることもあるので、膵炎と診断してから早期の治療が必要です。治療は基本的には対症療法(輸液、疼痛管理、制吐剤)です。膵炎に対する特効薬は無いので、これら3つの内科的対症療法を主体に行います。

 

・輸液:下痢、嘔吐、炎症に伴う全身の循環血液量を改善するために行います

・鎮痛剤:膵炎は激しい疼痛を引き起こすことが多いです。

・制吐剤:嘔吐は体力と水分を喪失させます

膵炎急性期に対し効果を発揮する薬💊の紹介です

「ブレンダZ」

フザプラジブナトリウム水和物を有効成分とする注射剤です。有効成分が白血球による炎症反応を抑制し、膵炎の症状を改善します対症療法で改善しない場合や重症の膵炎の場合に用いることが多いです。

そのほかの治療法として、ステロイド剤があります。膵炎に伴う胆管閉塞がある場合など、場合によっては炎症を抑えるために用いることがあります。

 

まとめ

膵炎は激しい下痢、嘔吐、食欲不振を引き起こし、最悪の場合亡くなってしまうこともある怖い病気です。

急性膵炎で入院治療を行い元気になったわんこです。適切な治療を行えば完治できる病気なので下痢、嘔吐、食欲不振、元気消失などの症状が見られた場合はお早めにご相談ください。

獣医師 岡田