
治療例 CASES
副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
2026年2月3日(火)
【概要】
副腎皮質機能亢進症とは、副腎といわれる腎臓の傍に位置する臓器から分泌されるホルモン(コルチゾール)が慢性的かつ過剰に分泌される状態を指します。わんちゃんで多いホルモンの病気の 1 つですが、猫ちゃんでも稀に認められることがあるため注意が必要です。
【原因】
原因は大きく 2 パターンあります。1つは下垂体と言われる脳に付属したホルモンを分泌する臓器が腫瘍化することで発生する下垂体依存性副腎皮質機能亢進症(Pituitary-dependenthyperadrenocorticism:PDH)、もう 1 つは副腎が腫瘍化することで発生する副腎腫瘍性副腎皮質機能亢進症(Adrenal Tumor:AT)です。
発生頻度としては PDH が 85%程度をしめていると言われています。また、ステロイドの長期投与によって発生する可能性もあります。(医原性クッシング症候群)
【症状】
よく見られる症状として、多飲多尿、多食、腹部膨満、脱毛、肝腫大、筋量低下、皮膚の菲薄化などがあります。他にも様々な症状が認められる事があります。
【診断】
血液検査、エコー検査が主な検査になりますが、CT や MRI など麻酔が必要な検査を追加検査として実施する場合もあります。
【治療】
治療は内科治療、外科治療および放射線治療があります。
内科治療は投薬(飲み薬)にてホルモンの過剰分泌を抑制します。
外科治療では下垂体や副腎に発生した腫瘍を切除します。
放射線治療は下垂体腫瘍の縮小を目的とし実施します。
その子によって治療の選択肢は異なるため、飼い主様と相談の上治療方針を決定します。
【まとめ】
本疾患はその子その子で様々な症状を認めるため、症状が進行するまで気付かない事が多いです。
しかしながら定期的な健康診断にて問診、身体検査、血液検査などを通じて早期に発見できる病気でもあります。体調に大きな変化がなくても半年に1度の健康診断をおすすめします。また些細なことでも体調に変化があれば、それが実は病気のサインということも珍しくはないので、様子をみるのではなく早期の受診をおすすめします。
獣医師 倉橋
