治療例 CASES
タンパク漏出性腸症(Protein-losing Enteropathy:PLE)
2024年7月29日(月)
【概要】
血中からタンパク質(多くがアルブミン)が喪失する原因はいくつかありますが
今回は腸管から漏出する疾患についてご紹介します。
タンパク漏出性腸症(PLE)とは、病気の名前ではなく様々な原因によって消化管から
タンパク質が漏れてしまう病態の総称です。
それらの原因としては腫瘍性疾患、炎症性疾患、リンパ管拡張などが挙げられます。
【症状】
①元気、食欲低下
②嘔吐、下痢
③浮腫(むくみ)
④胸水、腹水
多くは慢性的な下痢で気付くケースが多いと思います
【診断】
様々な検査を組み合わせ、他疾患を除外した上で診断をしますが
確定診断には内視鏡下で実施する組織生検が必要です。
例)血液検査
超音波検査
レントゲン検査
尿検査
病理検査 など
内視鏡検査の場合、全身麻酔が必要になりますのでまずは麻酔をかけない検査(血液検査、レントゲン、超音波検査など)を実施し、それでも原因がつかめない場合は内視鏡検査を実施します。
【治療】
原因によって治療内容は変わりますが主に以下の治療を実施します。
①食事療法(脂肪含有量の少ない食事の給餌)
②抗炎症薬
③抗がん剤(主に癌(リンパ腫)と診断した場合)
治療前(腹水貯留)
治療後(治療開始1週間後)
タンパク漏出性腸症(PLE)は無症状の場合もあり、気付かない間に進行してしまうケースもあります。放置していると血栓症のリスクが上昇し、容態が急変する場合もあります。
健康診断などの血液検査が当疾患を含む様々な病気の早期発見に繋がりますので体調に問題なくても定期的な検査を推奨します。
治らない下痢とのことでご来院される場合もあり、内視鏡検査にて病気が見つかることもあるためお困りの際はいつでもご相談ください。
獣医師 倉橋興平